会長挨拶

高齢者医療費窓口負担増は許されない~軍事費よりも社会保障に

新年明けましておめでとうございます。
長崎県保険医協会のホームページにようこそいらっしゃいました。
長崎県保険医協会は長崎県下の医師・歯科医師、約1,870名で構成される団体です。昨年7月の第46回定期総会で創立45年となりました。
長かったコロナ禍にようやく出口が見えてきました。昨年の今頃は新型コロナウイルス感染症の第8波の真っただ中にありました。5月に2類から5類感染症に変更され、7月に始まった第9波も9月には収まり、10月には4年ぶりに開催されたおくんちに長崎の街が沸きました。今年のランタンフェスティバルの皇帝パレードは福山雅治が皇帝役を務めるとあって、既に当日前後の宿泊施設は満室の盛況です。スポーツリーグも活発です。B1リーグに昇格した長崎ヴェルカの活躍に手に汗を握り、残念ながらJ1昇格はなりませんでしたがV・ファーレン長崎も善戦、今秋には新スタジアムが完成します。
一方で目を国の外に向けると、ロシアのウクライナ侵攻に続いてパレスチナのガザ地区ではイスラエルと終わりなき戦闘が続き、罪もない子どもたちが命を落としています。どうして人は戦争をするのか。新しい戦前と言われて久しく、5年間で43兆円の軍拡予算の向こうに我国の平和はありません。
街に賑わいがもどったものの、実質賃金は下がる中、相次ぐ物価高騰にあえぐ国民に対する打開策は何ら示されていません。異次元の少子化対策といいながら口先だけ。ましてやその財源を高齢者の窓口負担増に求めるなど言語道断です。
秋には保険証の廃止が予定されています。協会のアンケートでもオンライン資格確認については一定の有用性が示されています。無理に保険証を廃止しなくても、現行の保険証を維持しながら、マイナ保険証の問題点をひとつずつ解決していけばよいのではないでしょうか。
財務省や支払い側の圧力が強まる中で、4月の診療報酬、介護報酬の改定が本体プラス改定となったことは、これまでの運動の成果として喜びたいと思います。
今年は辰年、竜の年です。竜といえば龍踊。黄金の玉を追いかける龍の姿は長崎の祭りの象徴であり、古く中国の五穀豊穣を祈る雨乞い神事に始まったと言われています。今年が豊穣の年になることを願います。

2024年1月1日
長崎県保険医協会
会長 本田孝也