医科歯科連携から見た病診連携~医科・歯科・病院アンケートの結果から~

医科歯科連携から見た病診連携~医科・歯科・病院アンケートの結果から~

長崎県保険医協会

 近年、入院・外来を問わず、多種多様な医療・介護スタッフによるチーム医療の重要性がますます高まっています。医科・歯科が連携し、患者の口腔衛生管理の徹底を図ることで、誤嚥性肺炎等を予防できることは周知の事実であり、摂食・嚥下障害、低栄養状態等の改善が入院患者のQOL向上及び早期回復、平均在院日数の短縮に効果があることも報告されています。
 2018年診療報酬改定でも、検査データ等を共有する診療情報提共有料の点数が新設され、がん患者等の周術期の口腔機能管理、在宅医療や睡眠時無呼吸症候群患者に対する連携等も評価されています。現場でも診療報酬上の評価でも、医科歯科連携の必要性が高まっています。
 協会では、医科歯科連携への取り組み状況を把握するべく、「医科歯科連携アンケート調査」を実施しました。

はじめに
 長崎県保険医協会では医科歯科連携をテーマに日常経験交流会を開催し、今年で27回を数える。また、昨年は「病気を持った患者の歯科治療」の改訂第4版を出版し、医科歯科連携に努めている。2015年に第三次五カ年計画を策定し、重点課題の中で勤務医部会の設立を目指しており、今回は病院における医科歯科連携、病診連携をテーマにアンケートを実施した。

方法
 医科会員、歯科会員、病院別に設問を設定し、2018年7月2日~25日にアンケート用紙を郵送した。回答はFAXまたは郵送にて回収、集計した。

結果
 医科会員270名、歯科会員170名、病院84施設から回答があった。直近1年間に医科歯科間で診療情報提供料あるいは診療情報共有料を「算定したことがある」と回答したのは、医科会員が67%、歯科会員が85%に対し、病院では42%だった(図1)

図1 診療情報提供料あるいは診療情報共有料を算定したことがあるか

 

歯科を標榜していない病院は82%だった。歯科治療の必要な患者さんには「かかりつけの歯科医師に依頼する」が64%で最多だった(図2)

図2 歯科治療の必要な患者さんへの対応

 

医科歯科連携が「うまくいっている」「まあまあうまくいっている」と回答したのは、医科会員が47%、歯科会員が47%、病院が68%だった(図3)

図3 医科歯科連携はうまくいっているか

 

病院が他院との連携で実践している歯科治療としては、歯科による訪問診療、口腔機能管理、誤嚥性肺炎の予防、摂食・嚥下、全身麻酔による手術前後の患者の歯科治療の順に回答があった。

考察
 今回のアンケートでは医科歯科会員のみならず病院においても医科歯科連携の意識が高いことが示された。この結果をうけて、11月10日に勤務医部会として実績の高い熊本協会からシンポジストを招き、第一回の病診連携シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、アンケートの病診連携の現状、介護施設、在宅医療との連携に関する設問に対する回答等を分析するともに意見交換を行なった。これを勤務医部会発足への第一歩としたい。

※それぞれの詳細な結果は、以下をクリックしてください。

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