ご存知ですか?胃がんリスク検診(ABC検診)
2017年7月より長崎市では胃がんリスク検診(ABC検診)が開始されました。血液検査により、ピロリ菌感染のあるなしと胃の粘膜の萎縮の程度を調べ、胃がんにどのくらいなりやすいかを調べます。胃がんそのものを見つける検査ではありません。
ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリという細菌です。日本人のおよそ3500万人がピロリ菌に感染しているといわれています。
ピロリ菌に感染すると胃の粘膜に炎症を起こし、胃・十二指腸潰瘍、胃のポリープやリンパ腫などを引き起こします。炎症が続くと胃の粘膜が薄くやせてしまう「萎縮」が進行して萎縮性胃炎となり、一部は胃がんを引き起こすことが知られています。ピロリ菌に感染した日本人の約8%が胃がんになるといわれており、感染していない人はほとんどは胃がんになりません。このため、ピロリ菌を除菌することで、胃がんの予防につながると考えられています。
ABC検診では、ピロリ菌感染のあるなしと胃の粘膜の萎縮の程度から4つのグループに分けます。この結果から、胃がん発見のため胃内視鏡検査の必要性と間隔を判断します。
現在、胃・十二指腸潰瘍だけでなく慢性胃炎でも医療保険でピロリ菌の除菌治療を受けることができます。ただその際は、胃内視鏡検査を受けることが必要です。
また、食道・胃・十二指腸の病気で治療中の方、胃の手術を受けた方、腎機能の悪い方、ピロリ菌の除菌治療後の方などはこの検診の対象とならないこともあるので医療機関にご確認ください。(2016年1月放送)