健康一口メモ/心不全

心不全

 心不全という言葉をよく耳にするようになりましたが、これは病気の名前ではありません。心不全とは心臓の働きが低下し、血液を送り出すことができなくなった状態をいいます。
 この状態は、高血圧、心臓弁膜症、心筋梗塞といった心臓病はもとより、心臓以外の病気によっても引き起こされます。心臓の働きが低下すると、心臓だけではなく体中の症状が現れてきます。
 起こり始めの症状は、動悸、息切れ、疲れやすさ、むくみなどですが、これらの症状を年のせいと見過ごしてしまう「隠れ心不全」の人が最近増加しています。心不全が進んでくると仰向けでは苦しくなり、体を起こすと楽になったりします。さらに進むと夜突然苦しくなり、起き上がっても楽になるまでに時間がかかるようになります。これはすぐに入院しなければ命に関わる状態です。
 心不全は完治させることが難しく薬などで調整することになりますが、そのためには早く発見し、早く治療を開始することが重要です。
 心不全の原因になる病気の診断には色々な検査が必要ですが、心不全の状態であるかどうかは血液検査で大体わかります。心臓を守るために心臓から出ているBNPというホルモンがありますが、このホルモンは心臓の働きが悪くなり、心臓への負担が大きくなるほど多く出されます。即ち、心不全の人は数値が高くなります。
 息切れや疲れやすさ、足がむくむなどの症状がある人は 早めにかかりつけ医に相談されることをおすすめします。(2016年7月放送)