子どもの食物アレルギー
食物アレルギーは免疫が過敏に反応して特定の人にだけ症状を起こすことです。アレルギー症状は、皮膚の症状だけが現れる軽症の方から、呼吸が苦しくなったり血圧が下がるなどの重い症状が出る方までおられます。
近年、乳幼児に食物アレルギーの患者さんが増えています。乳幼児の食物アレルギーの管理は大きく変わってきており、原因の可能性がある食物を念のため食べないという指導から、除去は必要最低限にしてできるだけ食べられるものは食べるという方針に変わってきています。
診断にはアレルギーが起きた時の状況をしっかり確認することが最も重要で、それに検査を組み合わせて原因を推定していきます。
食物アレルギーを心配される保護者の方がアレルギー検査を希望されることが増えていますが、症状が出たことがない方に行う必要はありません。本当にアレルギー症状が出る食物以外にも、アレルギー検査では陽性反応が出る場合がありますので、検査結果の解釈はかかりつけ医に必ず確認してください。安易に食物を除去して栄養不良になる例もあります。
実際に食物アレルギーをお持ちのお子さんは、症状が出た時の対処をかかりつけ医や学校の職員などとあらかじめ確認しておくことも重要です。
乳幼児の食物アレルギーの三大原因は卵、牛乳、小麦ですが、一度症状が出ても成長とともに症状が起こらなくなることがほとんどですので、再開の時期を医師と相談しましょう。(2016年3月放送)