子どもの嘔吐
子どもはよく吐きます。便秘やおならがたまるだけでも吐く時があります。しかし、重大な病気のサインなのかもしれません。こどもが嘔吐した時の観察ポイントを説明しますので冷静に行動してください。
まず何を吐いたのか見てください。食べ物の残りだけでしょうか。一回吐いただけですぐ水分も取れるなら心配はありません。吐いた物が黄色の液体であれば胃液が、緑色であれば胆汁が混ざっていますので相当強い吐き気があると思われます。うすめたコーヒーのようであれば胃の中に出血があった可能性があります。大人の薬や異物を飲んでいないかなどのチェックもお願いします。腹痛があるかどうかも大切な点です。痛みの程度、痛む場所、くり返し痛むのか、接続的に痛むのか、などを尋ねてください。虫垂がある場所は右下腹部ですが炎症の初期はみぞおちあたりが痛みます。まだ話すことができない乳児でも、激しく泣いたり、不快そうな表情で痛みを訴えます。何回も吐いたり、くり返し痛みがあるような場合は夜間であっても病院受診を考えてください。10歳くらいまでの子どもが急に嘔吐をくり返しだんだん元気がなくなってぐったりしてくることがあります。アセトン血性嘔吐症と言われ、燃料切れのような状態からおこってきます。糖分が切れたため脂肪からカロリーを作り出すとこのような状態になることがあります。甘い飲みものをあげてみてください。
子どもさんが嘔吐した時全身状態に少しでも不安を感じたらかかりつけの小児科医に相談してください。(2016年10月放送)