健康一口メモ/RSウイルス感染症

RSウイルス感染症

 RSウィルスは、乳幼児に風邪症状を引き起こす”一般的なウィルス”で、特に”冬”に流行します。
 かつては、「冬にしか流行しない」とされていましたが、検査キットの発達で簡単に検査できるようになったおかげで、季節を問わず流行することがわかってきました。
 RSウィルスは一度感染しても免疫が十分にできず、繰り返し感染してしまいます。しかし、何度も感染するうちにだんだん免疫ができていき、症状は軽くなってきます。新生児はほぼ免疫がなく、呼吸器も発達の途中なのでRSウィルスに対して弱いと言えます。
 このため、五、六歳児で感染しても”ただの風邪’で済むものが、一歳未満の乳児が感染すると、重篤な”肺炎”や”細気管支炎”を発症し、入院が必要になったりします。
 「1歳未満では、インフルエンザよりも死亡率が高い」という調査報告もあり、赤ちゃんにとっては、とても危険なウィルスであることがわかります。
 RSウィルスに感染すると2~8日の潜伏期間の後、多くの場合、鼻水やクシャミなどの上気道症状が数日続いて、回復します。発熱が数日続くことも多いようです。赤ちゃんの場合、うまく鼻がかめず、少量の鼻水でもすぐ鼻が詰まり、苦しそうになります。
 RSウィルスには、抗生剤のような特効薬がないので、対症療法が基本的な治療となります。
 激しい呼吸器症状があり、水分が取れず、脱水を起こすと、入院が必要となるので小児科の受診をおすすめします。(2016年12月放送)