健康一口メモ/むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

 この病気は、不眠症を起こす原因として多く見られます。しかし、まだまだ知名度が低く、症状に苦しんで不眠症が重症になり生活に支障を来すことがあります。
 この病気は、リラックスしている時やじっとしている時に、ふくらはぎを中心とした脚に不快な違和感を覚えます。虫が這いまわっていると感じることから命名されました。40歳代から増加し、60歳~70歳で最も多くみられます。
 特徴的な症状が四つあり、診断基準となっています。
 1つ目は、脚の不快な感覚と脚を動かしたいという強い欲求で、不快な感覚は脚の表面ではなく奥の方に感じます。2つ目は、じっとしている時に症状があらわれます。3つ目は、脚を動かすことで症状が軽くなります。最後に、夕方から夜にかけて症状があらわれます。寝ている時に脚が無意識にビクンビクンと動く周期性四肢運動を伴うこともあり、その場合は睡眠が妨げられ不眠となります。
 原因は解明されていませんが、脚ではなく、運動や感覚を制御する神経に関連した病気で、脳内の神経伝達物質であるドパミンの不足が関与していると考えられています。生活習慣の改善が症状を軽くすると期待されており、鉄分を多く含む食事を摂ることや、カフェイン、アルコール、タバコの過剰摂取を控えること、適度な運動をすることなどが推奨されています。症状が強い場合は、よく効く飲み薬がありますので、睡眠専門医か精神科、神経内科の医師に相談されることをおすすめします。(2016年3月放送)