自殺と「うつ」の関係
自殺と「うつ」の間には、強い関係があります。自殺を試みた四分の三の人に何らかの心の問題を抱えていたことが明らかになっています。さらに、その心の問題の中でも約半分が「うつ」の問題であったこともわかっています。
日本では、現在(2016年)でも1年間で2万5千人近くの方が自殺で亡くなっています。では、自殺はどうして起きるのでしょう。自殺に至る理由は、一つとは限りません。様々な原因が重なると考えられています。また、自殺を望んでいるわけではなく、生と死の間で心が揺れています。追い詰められて自殺を選んでしまうのです。そのため自殺に至る前に誰かに相談することができれば、防ぐことができるのではないかと考えられています。
また「うつ」は、気分の落ち込みや、興味や喜びの喪失といった心の苦痛を伴う状態です。「うつ」になることで、眠れなくなったり、食欲が低下したりすることに加えて、判断力や注意力も低下します。このため、焦って決めようとしたり、望ましくない結論に至ったりと、決断することもとても苦手になってしまいます。最近では、こういった「うつ」またはうつ病の治療には、以前に比べると副作用の少ない新しい抗うつ薬が使用されています。「もしかして…。」「何か違う。」と感じたら、かかりつけの医師などにご相談されることをおすすめします。(2016年5月放送)