健康一口メモ/サルコペニア ―筋肉の衰えは病気?

サルコペニア ―筋肉の衰えは病気?

 中年をすぎると誰しも筋肉が衰えたと自覚するようになります。運動により予防する意識の高い人もいますが、そのまま放置している人の方が多いかもしれません。筋肉が少々衰えても日常生活で大きな問題にはならず、加齢による仕方のないことだと感じる人が多いからでしょう。
 「筋肉の衰えが進むのは病気なんですよ」と言われてもピンと来ないと思いますが、これは「サルコペニア」と呼ばれる立派な病気の一つなのです。
 この病気になると、健康寿命が極端に短くなります。つまり、一生のうち誰かの手を借りながら生活する期間が長くなってしまうのです。重症になって筋肉がさらに衰え、独りでの外出が困難になったり寝たきりになったりすると、医療や介護に頼る割合がますます増えることになります。
 「サルコペニア」を予防するためには、日頃の運動や栄養管理が重要です。肥満の方には「スクワットやウォーキングの半年間以上継続」と「糖質と脂質を制限しタンパク質は制限しないメニュー」の併用をオススメします。こうやって筋肉をできるだけ維持して関節の痛みや転倒を減らせば、自立しながら長生きできるでしょう。
 「歩いていて他の人に追い抜かれることが多くなった」や「両手の親指と人差し指で作った輪っかでふくらはぎを簡単に挟める」に該当すれば、「サルコペニア」かもしれません。一度お近くの整形外科に相談してください。筋肉の衰えを防ぐため、よりよいアドバイスを受けることができるでしょう。(2016年4月放送)