健康一口メモ/疲労骨折

疲労骨折

 疲労骨折は、繰り返し加わる外からの力によって生じた微細な骨の損傷が自己修復能力を超えて蓄積されることによって発生します。
好発部位は、膝から下の骨に圧倒的に多いですが、これは「走る」「跳ぶ」などの各スポーツに共通する動作の繰り返しによります。一方で競技特有の動作によって生じる疲労骨折もあります。ゴルフや野球での肋骨骨折、テニスやバドミントンでの手の骨の骨折、野球やソフトボールでの上腕骨や肘周囲の骨折などでその発生部位は多岐にわたります。
 疲労骨折の原因はトレーニングや競技などでの使いすぎいわゆるオーバーユースですが、筋力不足や筋肉のアンバランス、柔軟性の欠如、月経異常などによるところも大きいです。
 疲労骨折の中には一定期間運動負荷を軽減するだけで治るものもありますが、青少年期に頻発する腰椎分離症のように運動を継続しながらでは治らないものもあります。また慢性的な腰痛やすべり症へ進行して将来的に手術が必要になる例もあります。疲労骨折は一度治っても運動再開によって再骨折を起こすこともあり、疲労骨折を起こしにくい体作りが必要となります。ランニング・投球・スイングフォームやジャンプなどの動作不良、筋力のアンバランス、柔軟性不足、扁平足などの疲労骨折の原因を改善することが必要です。
 整形外科を受診して、適切な時期に適切な治療とリハビリテーションを受けることが望ましいでしょう。(2016年9月放送)