舌下免疫療法でアレルギー性鼻炎を治す
いま日本人の4人に1人がアレルギー性鼻炎になっています。この病気はスギ花粉やハウスダストなどが原因で発症するため、原因物質を避けたりアレルギーを抑える薬を使ったりしていましたが、平成26年から舌下免疫療法という新しい治療が始まりました。この舌下免疫療法では、従来の薬を使っている間だけ症状を抑える薬物療法とは違い、アレルギー体質そのものを治すことができ、薬が不要になったり量を減らしたりできます。先に欧米で実用化されていましたが、やっと日本でもスギとハウスダストによるアレルギー性鼻炎で治療可能になりました。
治療の実際は、その名の通り、舌の下に原因物質のエキスを毎日1回入れるだけです。治療効果は三カ月程度で現れてきますが、効果が安定するまで治療を3年以上継続する必要があります。この治療を行った八割の人々で症状が軽くなったり無くなったりすることが期待できますが、残念ながら二割の人々には効果がありません。また、極めてまれに起こるアナフィラキシーショックなどの重い副作用が発生した場合には、治療を中止することになります。このアナフィラキシー反応を起こすと、血圧低下、呼吸困難、意識がなくなるといったショック状態になるため、治療を始める際には医療機関で説明を行い、副作用の危険性と対処方法を十分に理解して頂いた上で治療を開始します。
アレルギー性鼻炎にお困りの方は、かかりつけ医にご相談ください。(2016年1月放送)