健康一口メモ/ぜんそくに伴う鼻の病

ぜんそくに伴う鼻の病

 喘息(ぜんそく)に伴う鼻の病気の代表としてアレルギー性鼻炎があります。
 アレルギー性鼻炎はダニやハウスダストなどによる通年性のものと、スギなどの花粉に伴う季節性のものがあります。
 アレルギー性鼻炎の主症状としてはクシャミ・水ばな・鼻詰まりですが、喘息とアレルギー性鼻炎は鼻腔から気管・気管支など一つのつながった気道で発症するため、喘息患者の約七割でアレルギー性鼻炎を併発していると言われています。
 通常、人は呼吸をする際空気が鼻腔内を通過することで、空気中の埃を減らし、温め加湿された空気が気管の中に入っていきますが、アレルギー性鼻炎の患者さんは鼻詰まりによって鼻呼吸が障害され、気道に直接空気が入り、気道が刺激され喘息発作を誘発しやすくなります。
 したがってアレルギー性鼻炎を伴う気管支喘息患者さんでは、アレルギー性鼻炎の治療をすることが普段の喘息発作の予防になります。
 また最近新たに言われている病気としては成人発症気管支喘息というものがあります。通常の喘息よりも重症でアスピリン喘息を伴うケースが多いことが特徴です。この成人発症気管支喘息には好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎を伴うことがあり、薬などの治療に抵抗性であることも少なくなく、手術を行っても再発しやすいという特徴があります。
 喘息を持っている患者さんで、鼻や耳の症状を伴っている方は耳鼻科医に相談されることをおすすめします。(2016年9月放送)