失明する眼の病気
今回は最近の失明の原因となる三つの病気についてお話しします。
第1位は緑内障です。視神経が障害され、視野が欠けてくる病気です。40歳以上に多い病気です。片目だけ進行することも多いので、片目づつ見える範囲を確認することも大切です。急性におこるものは頭痛、吐き気などを伴うことから、内科や脳外科の受診をきっかけに緑内障が発見されることもあります。慢性のものでは自覚症状がないうちに視野が狭くなっていくことがありますので、眼科での定期的なフォローをおすすめします。治療は目薬での眼圧コントロールです。それでも眼圧が下がらない場合はレーザーや手術を行います。
第2位は糖尿病網膜症です。血糖コントロールが悪い状態が長期間続くと眼の血管が障害され、眼底出血を起こします。軽症では血糖コントロールで改善する病気ですが、重症になると視力の改善は厳しいといえます。治療は眼球への注射の他、レーザーや手術を行うこともあります。糖尿病と診断されたら、内科と眼科のどちらもしっかりと受診をしましょう。
第3位は加齢黄斑変性症で、最近増えています。これは加齢により網膜に老廃物がたまり、網膜の中心の黄斑という部分が障害される病気で、喫煙者に多いとの報告があります。最近の主な治療は眼球に注射を打つことです。ただ、治療費が高額であること、複数回打たないといけない場合が多いという難点があります。
いずれにしても、専門医の受診をおすすめします。(2016年5月放送)