膀胱がん
膀胱がんは、泌尿器科では頻度の多いがんです。そして、50歳以後に多いがんです。最初の症状は何と言っても目に見える血尿です。それも、排尿痛や頻尿を伴わない血尿です。赤いおしっこが出たらまず泌尿器科を受診してください。何もしなくても自然に止まることもありますが、血尿が止まったからといって安心してはいけません。次に血尿が出た時には、相当に病気が進んでいることがあります。
泌尿器科外来では、尿を貯めてからの膀胱エコーを行います。膀胱内にポリープ状の腫瘤があれば膀胱がんと診断がつきます。そしてCTを撮ったり、膀胱鏡をして確かめます。膀胱がんが早く見つかれば、腰椎麻酔下に、簡単に膀胱鏡手術で削り取って切除できます。進行していると、全身麻酔下に膀胱がんを膀胱ごと全部摘出しなければなりません。何しろ早く見つけて、早く手術することが肝要です。
ただ、膀胱がんの特徴として、膀胱鏡で切除しても、しばらくして膀胱内の他の場所に新たに膀胱がんができることがあります。しかし、早め早めに見つけて切除すれば大事には至りません。そのために、膀胱鏡で膀胱がんを切除した人は、定期的に、3~6カ月毎に、5年間外来で膀胱鏡を行います。5年間、新たに膀胱がんができなければ大丈夫です。目に見える血尿がでたら、近くの泌尿器科にかかってください。(2016年7月放送)