湿布かぶれ
湿布かぶれは、湿布を貼った部位に起こる「接触皮膚炎」のことです。湿布を貼ってすぐに起こる一時刺激性皮膚炎の症状は、湿布を貼った場所にかゆみを伴う湿疹が出現します。湿疹が起こる所が湿布の形と同じなので、どなたでもわかりやすいです。湿布を繰り返し使用しているうちに起きるアレルギー性接触皮膚炎は、湿布を貼ったところにかゆみが出ても同じ湿布薬を繰り返し使用することにより慢性化し、かゆみ、腫れなどの炎症症状も重症化します。そういう症状が起こった場合は同じ種類の湿布の使用は中止してください。
また、接触皮膚炎の特殊なタイプに薬剤による光接触皮膚炎があります。薬剤が外部から皮膚に接触し、その部位に光照射が加わって生じる光線過敏症の一つです。湿布薬の他に原因となる薬剤に殺菌剤、香料などがあります。湿布薬による光接触皮膚炎は湿布薬を剥いだ後の露出部に日焼け変化と湿疹変化が起こります。
治療は湿布薬の使用中止とステロイド軟こう治療が基本です。光接触性皮膚炎は患部に光りを当てないことも必要です。強いかゆみが伴う時は抗ヒスタミン剤の飲み薬を併用することもあります。重症の時は短期間のステロイド内服を行うこともありますので「湿布かぶれ」かなと思ったら必ず最寄りの皮膚科を受診して適切な処置と薬剤の処方を受けて早めに治療しましょう。湿布かぶれの皮膚がじゅくじゅくしても自己判断で市販のかゆみ止めや消毒薬などは使用しないでくださいね。(2016年11月放送)