糖尿病治療中の歯科受診
糖尿病にかかると様々な合併症が起きやすくなりますが、お口の中では歯周病になりやすくなったり、抜歯や切開をした後の傷が治り難くなったりします。また、糖尿病の合併症に心臓や腎臓の病気がある場合には、歯周病を治療しないで放置することで、これらの合併症が悪化しやすくなると言われています。逆に、歯周病の治療を行うと糖尿病の状態が改善しやすくなると言われています。従って、糖尿病の患者さんは、きちんと歯科治療、特に歯周病の治療をしておくことが大切です。
糖尿病治療中は、血糖のコントロール状態がよい時に歯科を受診することをお薦めします。血糖のコントロールによって、治療の効果が出やすくなる他、安全に歯科治療ができるからです。言い換えると、血糖の値が良好な患者さんでは、糖尿病でない患者さんとほぼ同じように歯科治療を行うことができますが、血糖コントロールが不安定な場合は、抜歯などの外科的処置はできないことがあります。内科医の指示に従って、できるだけ血糖値を安定させて歯科治療を受けましょう。
まれに、糖尿病患者さんが歯科治療を受けている時に、頭痛、吐き気などの症状が現れ、ひどい場合には意識不明になることがあります。これは、糖尿病の薬が効きすぎて血糖値が下がりすぎた場合に起きます。このような発作を予防するには、歯科治療前にきちんと食事をしておくこと、昼食前や夕食前の予約は避けることなどが必要です。(2016年4月放送)