健康一口メモ/認知症の口腔ケア

認知症の口腔ケア

 認知症を発症すると、不安を言葉や態度でうまく伝えられず、あせりやいら立ちがうまれやすくなります。また、今までできていたことを間違えることで、周囲に指摘され、心ない言葉で傷つき、徐々に自信をなくしてしまいます。
 認知症が進行すると、歯磨きの仕方まで忘れる場合もあるようです。このような方への口腔ケアに対しては、驚かせず、急がせず、自尊心を傷つけないよう接することが大事です。
 口腔ケアを行えるような環境づくりをするためには、いつも同じ場所で行い、ゆったりとした静かな環境を作ります。物事を認識することができなくなっても、長年の生活習慣は身についている場合があります。その方の歯磨きの習慣について理解することが大事です。そして、歯ブラシや歯磨き剤、コップなどは毎回同じ場所に置くようにします。その時、周囲にまぎらわしいもの、例えば洗顔剤やチューブに入ったクリームなどは、歯磨き剤と間違えることがありますので、できるだけ一緒に置かないようにしましょう。歯間ブラシや糸ようじなど小さい器具は飲み込んでしまう可能性があるので注意しましょう。
 また、うがいを上手にできなくなっている場合もありますので、その際間違って飲み込んでしまってもいいように、うがい用の水にはうがい薬を使用しない方がいいでしょう。
 一番大事なことは、わからないことやできないことがあっても、否定せず、急がせず、認知症の人のペースで対応することです。(2016年12月放送)