健康一口メモ/残薬問題:お宅に薬が残っていませんか?

残薬問題:お宅に薬が残っていませんか?

 医師から処方された薬を飲み忘れたり、自分で止めたりして残った薬を残薬といいます。平成25年度の厚労省の調査では、医薬品が余ったことがある患者が約5割存在するとの結果が出ているので、何処のお宅にも少なからず薬が残っているものと思われます。
 残薬が発生する理由としては、主に「飲み忘れ」、「自分勝手に中止」、「処方日数と受診間隔が合わなかった」などが多く、「薬の種類や量が多くて飲む時間が複雑」とするものも2~3割あります。残薬については様々な調査報告がありますが、日本薬剤師会の報告によると、75歳以上の在宅医療を受けている患者だけに限っても年間約500億円分にも達するとのことで、全体としては相当な額の残薬があるものと推定されます。40兆円を越える国民医療費の中で、薬剤費の占める割合は約4分の1であり、残薬を減らすことで少なくとも数千億円が節約できることになります。
 残薬を減らすには、医師や薬剤師が注意するだけでなく、薬が残った時は遠慮しないで申し出ることも大切です。薬が飲みにくいとか、数が多いとか、副作用ではないかなど、色々な問題がある時も医師や薬剤師に相談してみてください。他の病院と薬がダブったりしないよう「お薬手帳」は常に持参しましょう。また、古くなって飲めない薬は、残して置かないで廃棄しましょう。かかりつけの医師や薬剤師、家族や介護者など皆で協力して残薬を無くそうではありませんか。(2016年5月放送)