婦人科/月経痛について

月経痛について

 あなたは月経痛を我慢していませんか。月経痛とは月経の直前から月経中にかけて起こる下腹部や腰の痛みのことを言いますが、頭痛、胃痛、吐き気、めまい、下痢などを伴うこともあり、症状や程度は人によって千差万別です。この月経痛が学業や仕事など日常生活に支障をきたすほど強い場合を、月経困難症と呼んでいます。月経困難症は何らかの病気のサインである場合もあります。しかし子宮などに特別な病気がなくても月経困難症はよく起こり、10代から20代の女性に多くみられます。
 月経痛への対処法を説明します。月経の時期は、過労やストレスを避け、十分な栄養や睡眠を取って体や下腹部を温めて子宮の強い収縮を予防しましょう。そして、痛みの到来を予感したら、出来る限り早く痛み止めの薬を使いましょう。痛み止めの薬は効き始めまでに時間がかかりますから、一番痛いときに飲んでも上手に効いてくれません。痛み止めはなるべく飲まない方がよい、と信じて我慢されている女性を時々見かけますが、月に1~2日鎮痛剤を飲んだからといって害はありませんし、それで薬が効きにくくなることもありません。急な月経の時に慌てないように、お薬は、いつもバッグの中に数錠忍ばせておきましょう。
 何日も続く月経痛や、市販のお薬が効かないような場合は、思い切って産婦人科を一度受診しましょう。子宮などに病気が隠れていないかを確認した上で、適切な治療法を検討していきます。(2019年11月)