歯科/口内炎か口腔がんか迷ったら?

口内炎か口腔がんか迷ったら?

 堀ちえみさんの舌がんのニュースに、もしかしたら自分も、と不安になった人も多いのではないでしょうか。
口腔がんとは、口のなか(口腔)にできるがんです。全部のがんの中で、1から3パーセントの、他のがんに比べて稀ながんです。喫煙や飲酒と関係があるといわれています。口腔がんの約半数は舌にできます。頬粘膜、歯肉、口底、口蓋などにもできます。口腔がんは他の臓器のがんに比べて、内視鏡なども使わず直接肉眼で確認できる発見しやすく、早期に治療できるがんです。早期に治療できれば後遺症も少なくなります。
それでは口内炎と口腔がんをどのように見分けたらいいのでしょうか。口内炎なら、5日から10日ほどで自然に治ります。粘膜を傷つけている歯や義歯を調整すると治まることも多いです。細菌感染などで炎症が強い場合は、抗生物質を内服することで腫れや痛みが引きます。
これらの治療をして、2週間以上たっても症状が改善しないと、がんの疑いがあります。粘膜の表面がデコボコと盛り上がったり、赤いところと白いところが混ざりあったり、へこんだ潰瘍ができたり、触ると硬いしこりがある場合は要注意です。アレルギーや、がんではないが経過観察の必要なこともあります。症状に応じて、口腔がんの治療ができる大学病院などの医療機関に紹介します。
口内炎が2週間経っても治らないときは、まず、歯科や耳鼻咽喉科を受診してください。(2019年10月)