整形外科/ゴルフ肘

ゴルフ肘

 ゴルフを続けていると肘の内側に痛みを生じることがあります。これが「ゴルフ肘」です。正式名称は「上腕骨内側上顆炎」といって、指や手首を曲げたり前腕を捻る筋肉が骨に付着している部分の炎症です。同じような障害に「テニス肘」がありますが、これは肘の外側部の痛みです。
 主な原因は使いすぎによる腱の付着部の炎症で、肘に力を入れすぎたり、手首を使いすぎたりしたスイングでなりやすいようです。スポーツだけではなく手をよく使う労働者にもみられます。
 症状はスイングをした時に肘の内側に痛みが生じ、内側の骨の突出部(上腕骨内側上顆)を押さえると痛みがあります。肘や手首を動かした時に肘の内側に痛みがあった場合はゴルフ肘を疑う必要があります。
 このような症状があったら、自分でできることとしては運動を控えて肘を安静にし、湿布などの貼付を行うことです。しばらく様子をみても痛みがとれない場合は、整形外科を受診してください。
 整形外科ではレントゲンで骨に異常がないことを確認し、鎮痛剤や湿布を処方します。炎症が強い場合は局所麻酔剤と炎症をおさえるステロイド剤を患部に注射します。また、前腕の筋や腱のストレッチを行い、電気治療を併用したりします。これらの治療では症状の改善がなく、日常生活やスポーツ活動に大きな支障がある場合は、手術を行う場合があります。
 過度の運動を控え、日頃よりストレッチを行って予防に努めることが大切です。(2019年10月)