精神科/もの忘れの薬を飲むようになってから、なんだか、怒りっぽくなったみたい・・・

もの忘れの薬を飲むようになってから、なんだか、怒りっぽくなったみたい・・・

 認知症というとアルツハイマー型認知症が有名ですが、他にも脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型などのタイプがあります。アルツハイマー型は全体の5~7割といわれていますので、残りがそれ以外のタイプの認知症ということになります。
タイプが違うと当然、薬の効き方や副作用の現れ方も違ってきます。抗認知症薬の中で最も使われているのはドネペジル(アリセプト®)という薬です。去年行われたある調査では、ドネペジルの処方は抗認知症薬処方の実に75%に上りました。
ドネペジルは、脳内の神経伝達物質の一つであるアセチルコリンを特に活性化させます。そのため脳神経が変化し、その機能が低下して、物忘れが目立ったり意欲や関心が乏しくなったりする典型的なアルツハイマー型認知症には、その進行を遅らせることが期待でき、とても良い薬です。
ところが、怒りっぽさが目立ったり歩きにくさが見られたりしている場合には、それらの症状を悪化させてしまうことがあります。また、不眠、食欲不振などの副作用もあります。
ご本人や身近に接しているご家族の感覚というものは、薬の種類や量を調整する上でなくてはならない情報です。もの忘れの薬を飲み始めてから、怒りっぽくなったり、歩行に変化が見られたりしたときは、認知症そのものが進んだという以外に、薬が原因となって現れた副作用かもしれません。そんなときは、どうぞ遠慮せず、早めに担当医にご相談ください。(2019年9月)