健康一口メモ/子どもの鼻詰まりがもたらすもの

子どもの鼻詰まりがもたらすもの

 子どもの鼻が詰まると、どのような事が起きてくるのでしょうか。
 鼻は呼吸する場所であり、においを感じる器官です。それらが障害されるので、鼻呼吸が困難になり、嗅覚障害もみられてきます。子どもは大人に比べて鼻呼吸が困難になると、いびきや睡眠時無呼吸が多くなると言われています。
 子どもの睡眠時無呼吸は、幼稚園・小学校での活動の妨げになるような異常な眠気や夜尿の原因になることがあります。また、睡眠時の成長ホルモン分泌低下による低身長や慢性的な低酸素症による精神発達遅滞などの発育障害、注意欠陥多動性障害の原因になることもあります。そのため、子どもの睡眠時無呼吸はしっかりと治療を行って改善させる必要があります。
 では、なぜ鼻づまりが生じるのでしょうか。
 鼻づまりは、鼻の病気による場合と、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)肥大による場合があります。鼻の代表的な病気は、鼻炎、副鼻腔炎、おもちゃなどを誤って入れてしまう鼻腔異物などが考えられます。鼻炎には風邪などで起こる急性鼻炎や近年低年齢化が目立つアレルギー性鼻炎などがあり、それぞれの状態に合わせて薬物治療を行います。鼻腔異物は、時間か経つにつれて鼻粘膜の腫脹がみられ摘出が困難になるため、早期に摘出することを勧めています。アデノイド肥大も薬物治療から開始しますが、改善が乏しい場合は手術での切除も考慮します。         
 たかが鼻づまりと放置せず、耳鼻咽喉科を受診してみてください。(2019年8月)