健康一口メモ／子どもの虐待を防ぐために

　子育ては、大きな喜びを得ることができますが、同時に強い不安やストレスを感じさせるものです。やり場のない苛立ちやストレスのはけ口が子どもに向かってしまい、大きな悲劇が起きることは、日々の報道でよく知られるところです。未来を担う子どもたちを守ることは、社会全体の責任であると思います。子どもの虐待を防ぐために、我々に何ができるでしょうか。
　多くの虐待が、親の不安、苛立ち、孤立感などからくることを考えれば、虐待を未然に防ぐためには、まず子育てをしている親たちに優しい社会を作ることが必要です。公共の乗り物やレストランなどで泣きわめく子どもをあやしている親がいれば、温かく見守ってあげてください。子育てが終わった世代の方であれば、何かアドバイスをしてあげることもできるかもしれません。親の立場に共感し声をかけてあげることが、大きな救いになると思います。親の精神的な負担を減らしてあげることが、子どもを守ることにつながります。
　虐待を目撃したり、疑うようなことがあった場合、我々には連絡の義務があります。連絡するほどではないかもしれない、勘違いかもしれないと思って放っておくことは、新たな悲劇につながるかもしれません。連絡した人の情報は決して漏らされることはなく、匿名で連絡することもできます。連絡先は電話番号「１８９」です。これは最寄りの児童相談所につながり、24時間対応できるようになっています。「イチハヤク」と覚えてください。（2019年8月）