腟から子宮が出てくる病気~子宮脱について~

腟から子宮が出てくる病気~子宮脱について~

 子宮やその周辺の骨盤内臓器は、お腹の中で位置がずれないように支えられています。しかし、日常生活の中でその支えがゆっくり引きのばされたり、妊娠・出産などの急激な変化が加わることで、子宮周囲の支えが弱くなることがあり、子宮やその周りの臓器が、腟を通して出てくることがあります。この状態を子宮脱と言います。子宮の前と後ろには膀胱と直腸という臓器もありますので、子宮とともに膀胱や直腸も時に腟から出てくることがあります。子宮が出てくると、こすれて出血したりします。膀胱が出てくると、頻尿や尿失禁などの症状が出てきます。直腸が出てくると便秘や、稀に便失禁などの症状が出ることもあります。治療は、出てきてしまった子宮を元通りの位置に戻すことが必要です。骨盤底筋体操といって肛門周囲の引き締めによる子宮周囲の支えの強化や、腟の中にリング状の器具を入れて支えを補強するというやり方は体の負担がかからない治療法です。程度が軽い方は、この方法で比較的問題ありませんが、程度が重いと手術が必要になります。現在の治療の中心はメッシュという素材を使用した腹腔鏡手術です。これを子宮周囲に縫い込んで、人工的に支えを作り子宮を元通りの位置に戻します。以前より行われてきた腟から子宮を摘出する手術に比べて再発することが少なく有効な方法です。ご自身が当てはまるようでしたら産婦人科や泌尿器科、肛門外科などの受診をお勧めします。(2019年7月)