過換気症候群について

過換気症候群について

 過換気とは、発作的に息苦しくなって呼吸が速くなる状態のことですが、肺や心臓の異常によるものを除きます。現代社会では、ストレスの多い学校生活や労働環境により過度の精神的緊張を強いられています。この精神的緊張が長く続くと、体も緊張して呼吸が苦しくなり、必要以上に呼吸をしてしまう過換気に繋がります。呼吸が早くなると体の二酸化炭素が減り過ぎて電解質のバランスが崩れてしまい、手足のしびれやこわばりが出たり、意識がぼんやりなったりします。このような状態を過換気症候群と呼び、とくに几帳面で神経質な若い世代の人に多く起こります。
過換気症候群が起きた時の対処方法ですが、まず、ゆっくり話しかけて安心させ、適切な呼吸法を促します。ゆっくりと小さな呼吸を行い、可能であれば5秒以上かけてゆっくりと息を吐くように伝えて下さい。以前は、応急処置として、紙袋などを使用して自分が吐き出した空気を再度吸う方法が行われていましたが、場合によっては危険なことがあるので行わないようにしてください。過換気症候群の治療方法についてですが、原因となっている精神的なストレスについてカウンセリングを行うことが有効です。また、症状がひどい場合は、気持ちを落ち着かせるようなお薬を使用します。過換気症候群が何度も起きる場合や症状が強い場合には、パニック障害や不安障害・うつ病などの病気が疑われますので、精神科や心療内科などの専門医にご相談ください。(2019年7月)