夏風邪の原因と予防

夏風邪の原因と予防

 寒さと乾燥を好む冬のウイルスとは逆に、暑さと湿気を好むウイルスが夏風邪を引き起こします。代表的な夏風邪のウイルスは、エンテロウイルスとアデノウイルスです。これらのウイルスはお腹の中や、のどに付いて風邪の症状を起こします。「夏風邪はお腹にきやすい」といわれるのはこのためでしょう。
エンテロウイルスが原因になる夏風邪で代表的なのは、手足口病とヘルパンギーナです。のどに痛い発疹ができるのがヘルパンギーナで、のどだけでなく手足にも発疹がでるのが手足口病です。熱は出ても1日~2日程度で自然に下がります。
アデノウイルスが原因になる夏風邪は咽頭結膜熱、いわゆるプール熱が代表的です。高熱と目の充血、目やにがたくさん出るのが特徴で、熱は5日間くらい続きます。
夏風邪に特効薬はありません。そのため大事なのは予防です。夏風邪のウイルスは経口感染、つまり主に口から入ってくるので手洗いとうがいが特に重要になります。また部屋の中と外の気温差が大きいと、体調を崩しやすくなるので、エアコンの設定温度にも注意しましょう。
夏風邪にかかったときは、しっかり休んで免疫力を高めることが大事です。十分な睡眠と栄養と水分を摂ることが夏風邪の治療になります。
ほとんどは自然に治る夏風邪ですが、まれに髄膜炎や心筋炎などの合併症を起こすことがあります。ぐったりしている、顔色が悪い、水分が摂れない場合はかかりつけ医を受診しましょう。(2019年7月)