性成熟期の女性の帯下(おりもの)と病気について

性成熟期の女性の帯下(おりもの)と病気について

 18歳から45歳の性成熟期における女性の帯下についてお話します。性成熟期の女性の帯下は、白くて多少ねばりけをともなうこともあります。体質的に分泌物が多い人は日頃から帯下感を覚えますが、けして病気ではありません。また、健康な方でも月経周期の中頃である排卵期には帯下が増加します。
帯下が異常に増えたり、色や性質が変化したときには病的な帯下を疑います。ここでいくつかの代表的な病気を紹介します。
ヨーグルトやチーズの粕のような帯下と外陰部の痒みはカンジダ腟炎の症状です。カンジダとは真菌すなわちカビの一種で、これが体の抵抗力が落ちた時や、抗生物質などの薬を飲んだ時、妊娠中などに繁殖して症状を引き起こします。
黄白色に泡立つような帯下と痒みはトリコモナス腟炎の特徴です。トリコモナスは原虫とよばれる微生物で、性行為以外の経路で感染することもありますが、性行為感染の原因として特に重要です。パートナー間での移し合うピンポン感染を防ぐため、パートナーにも同時期に同じ治療を行う必要があります。
帯下の増量はクラミジアや淋菌による性行為感染でもおこることがあります。しかし無症状である場合も多く、早期の発見が難しい病気です。喉や眼に感染することもあります。放置してしまうと異所性妊娠いわゆる子宮外妊娠や不妊症の原因にもなりえます。
ほかにも様々な原因が考えられるので、病的な帯下を疑った際には早めに産婦人科を受診してください。(2019年5月)