他人事では無い網膜剥離

他人事では無い網膜剥離

 目をカメラに例えると、「網膜」は画像を映す「フィルム」にあたる部分で、眼球の内側にあります。この網膜に色々な原因で孔や裂け目が出来て、網膜が剥がれてくる病気を「裂孔原性網膜剥離」と言います。
ボクサーの目にパンチがあたり網膜剥離が起こると聞いたことがあると思います。外傷で眼球に力が加わり、網膜に孔が開くことは良く知られていますが、外傷以外にも近視が強い方やアトピー性皮膚炎をお持ちの方にも網膜剥離が起こることがあります。また、特に目の病気が無くても年齢的な目の変化から網膜剥離が起きる人もいます。
眼球の中は内側の網膜と接して硝子体というゼリー状の物質で満たされています。この硝子体は年齢とともに小さくなり、主に60代前半に網膜から剥がれます。この時に網膜に偶然に孔が開いてしまう方が、数千人に一人くらいの割合でいます。
自覚症状には、網膜に孔ができる時に黒い点やゴミのようなものが見える「飛蚊症」や、目の前に閃光が走る「光視症」などがあり、このような症状がある方は一度眼科を受診され、眼底検査を受けることをお勧めします。
治療には、レーザー光線で網膜を凝固させて網膜剥離の部分を囲み、広がらないようにする方法や目の中に細い器具を挿入して、悪化の原因となる硝子体を切除する硝子体手術などがあります。(2019年4月)