アキレス腱断裂

アキレス腱断裂

 アキレス腱といわれるかかとの腱は、ふくらはぎの筋肉が一つの腱の束となってかかとの骨にくっついたひものようなものです。ふくらはぎの筋肉はランニングやジャンプなど体を上や前に進める力となり、日常ではつま先立ちや姿勢を保つ働きをします。
アキレス腱の断裂は、ランニングやジャンプ、ダッシュやターンあるいは坂を登る時に突然うしろからバットでなぐられたようなバキッというまわりの人にも聞こえる音とともに転倒し、アキレス腱の部分に痛みを感じます。少し時間がたてばなんとか歩けますが、つま先立ちは出来ません。
診断は、痛みのある部分にへこみがあり、ふくらはぎの筋肉をつまんで足先きがつま先立ちの方向に動くかどうかのトンプソンテストでつけます。現在ではエコー検査で断裂しているかどうかはすぐにわかります。
治療はギプスや装具による手術をしない方法と腱を縫い合わせる手術がありますが、どちらの治療法でも歩けるまでの期間や再断裂率も差がないことより、現在は手術をしない治療例が多くなりつつあります。しかし、どんな治療法でも本格的なスポーツへの復帰は6カ月程度かかります。アキレス腱断裂は突然に起こりますが、日頃より体重のコントロールとアキレス腱のストレッチで柔軟性を保ち、異常を感じたらじっくりと安静を取ることが大切です。そして、運動時の痛みや違和感が長く続くようであれば整形外科を受診してください。(2019年4月)