酒と薬と不眠症

酒と薬と不眠症

 今日は治療が必要な不眠について説明します。治療が必要な不眠では夜間の睡眠時間が短くなります。夜中に目が覚めたときにまどろんだ感じでは無く、ぱっちりと目がさえてしまい、再び寝付くのが難しくなります。横になっても頭がさえて寝付けません。この時にお酒を飲む人も多いかと思います。一般的にアルコールには抵抗が無く、睡眠薬には抵抗を感じている人が多いと思います。アルコールも気持ちをリラックスさせ少し眠たくなる脳への作用を持つ向精神薬ともいえるかもしれません。アルコールでの睡眠は寝付きはよいですが夜中に目が覚めてしまい、くせになりやすく、量も増える傾向が強いです。お酒の量が増えると肝臓などにも負担がかかりアルコールを分解するために体力を取られさらに状況が悪くなる人が多くなるので、睡眠のためには寝酒は良くないと思います。病院で処方される睡眠薬はこういった副作用を取り除いているためより安全です。アルコールに比べると睡眠薬は安心してよいと思います。
しかしながら、一般的な睡眠薬を飲んでも眠れないことがあります。その時は単なる不眠ではなくうつ状態、認知症、そう状態などの病気で脳がさえ過ぎている可能性があります。そのような時はその病気を治しながら不眠の治療をしないと改善しない可能性が高いかと思います。精神科の治療も内科の治療と同じようなものです。早めに対処すれば軽く、早く治る可能性が高くなります。たかが不眠と侮るなかれ、と言えます。(2019年3月)