「クインケ浮腫」とは

「クインケ浮腫」とは

 主に口唇や瞼、頬などに突然数センチのコイン大の浮腫が出現する状態を言います。じんましんに似ていますが、発生する場所がじんましんより皮膚のやや深い部分に起こります。別名を「血管神経性浮腫」と言い、血管運動神経の局所的な興奮のために、毛細血管から血液の液性成分が皮膚組織に漏れて起こります。現在もその発症のメカニズムは解明されていません。また全身疾患が無い事がほとんどです。皮膚のかゆみはじんましんより軽いことが多いですが、皮膚が地腫れ(傷・できものの所だけでなく、周囲の皮膚が一面にはれる)した様な状態が数時間から数日続くこともあります。
治療せず放置していても自然に消える事が多いですが再発を繰り返す事が特徴です。まれにクインケ浮腫が口の中や喉の奥に起こることもあります。喉に起こった場合は気道が狭くなり呼吸困難を起こす事があるので注意が必要です。その場合はCTやMRIなどの画像診断を行い迅速な診断と治療が必要です。治療方法は対症療法で抗ヒスタミン剤を飲んだり、かゆいところにはステロイド軟こうを塗ったりします。
原因不明ですが、疲れている時に発症しやすい事からストレスや疲れが発症に関係していると言われています。そのことからストレスを解消する趣味や疲れをためないように休息を早めにとることも一種の予防及び治療になると言われています。その他、家族性に起きる遺伝性血管浮腫では血清中の免疫異常を認めます。おかしいと思ったら皮膚科に相談してください。(2019年3月)