謎の膀胱炎? 間質性膀胱炎とは

謎の膀胱炎?間質性膀胱炎とは

 『間質性膀胱炎』、初めて耳にする方も多いかと思います。女性に多い膀胱炎は、膀胱に細菌が入って炎症を起こす細菌性膀胱炎が大部分ですが、まれに細菌ではなくて、放射線治療や抗癌剤などの薬物が原因の膀胱炎もあります。『間質性膀胱炎』も、細菌感染とは無関係の特殊な膀胱炎です。
『間質性膀胱炎』の原因は、はっきり分かっていませんが、何らかの免疫異常による膀胱粘膜の炎症ではないかと考えられています。中年以降の女性に多いのですが、若い女性や男性に起こることもあります。
普通の膀胱炎と同じような頻尿や排尿時の痛み、残尿感などの症状に加えて、膀胱に尿が貯まった時や、刺激物を食べたり何らかのストレスがかかった時に、下腹部の痛みや不快感があり、生活に大きな支障を来す非常に厄介な病気です。普通の膀胱炎では、尿検査で細菌が見られますが、『間質性膀胱炎』では細菌が見られません。
膀胱炎のような症状があるにも関わらず、尿検査で異常がない場合や、抗生剤を飲んでも効果が見られない時には、『間質性膀胱炎』の疑いがありますので、膀胱内視鏡検査などの詳しい検査が必要です。
治療としては、抗生剤は無効で、鎮痛剤や抗アレルギー剤、ステロイド剤、抗うつ剤などの薬物療法を行いますが、治療が難しい場合が多く、麻酔をして膀胱水圧拡張術という内視鏡治療を行うこともあります。
膀胱炎がなかなか治らない場合には、『間質性膀胱炎』の可能性がありますので、泌尿器科専門医に相談されてはいかがでしょうか?(2019年2月)