大人の発達症を知っていますか

大人の発達症を知っていますか

 最近精神医学の学会では、発達障害などの診断名に障害という言葉を使わないようにすることが進められており、発達障害を発達症と呼ぶことも増えてきています。発達症とは、生まれつきの傾向として、脳神経の発達が著しく偏った状態のことで、子どもだけでなく大人でも診断されることが一般的となってきています。発達症を、障害や病気として捉えるよりも、偏りや特性として捉えていった方がいいのではないかと考える人もいます。発達症は、自閉スペクトラム症という、コミュニケーションが苦手でこだわりが強いタイプ、注意欠如・多動症という、不注意傾向が強く行動を抑えるのが苦手なタイプなどを含み、また複数の発達症を併せ持つ人も多いといわれています。
発達症にみられる特徴は稀なものではなく多くの人にみられるものであり、ある調査では、10%前後の人に発達症の特徴がみられたという報告もあります。また知的な能力が高い人も少なくないといわれており、どのような職場にも、発達症を持つ人がいる可能性があります。発達症の傾向を持つ人の中には、何かの専門家として力を発揮したり、創造性、独創性、発想力などに優れていたりして、社会的に成功している人もいます。一方で、周囲から理解されず、失敗体験や傷つき体験を繰り返して、うつの状態となっている人もいます。発達症を持つ人もそうでない人も、お互いに少しでも理解していこうという姿勢が大切だと思います。(2019年1月)