白内障の手術について

白内障の手術について

 眼の中のピントを合わせるためのレンズを水晶体といいます。水晶体は、水晶体嚢という薄い膜の中に水晶体の皮質と水晶体の核を含む組織です。水晶体が濁り見にくくなるのを白内障といいます。白内障の原因は糖尿病など他の病気、放射線や薬が影響することもありますが、最も多いのは老人性白内障です。いわば白髪と同じで、誰にでもおこりうる老化現象です。一度濁れば元に戻りませんが白内障が軽いうちは日常生活に支障はありません。濁りが強くなって、霞がかったり、光が乱反射したりすることで眩しく感じることがあります。その場合は水晶体を取り除く手術で視力を改善させることができます。手術時期は生活に不便を感じた場合、患者さんの希望で決めます。不便を感じなければ、手術を急ぐ必要はありません。しかし放っておくと白内障が原因で緑内障を起こす場合や、手術が困難になりそうな場合は、早めの手術をすすめる場合があります。白内障の手術は、水晶体嚢の前部をくり抜き皮質と核を取り除きます。レンズを固定するために必要なため、後部(後嚢)は残し、人工眼内レンズを挿入します。白内障以外の病気がなければよりよい視力となります。
術後は白内障には二度となりませんが、白内障手術で残した後嚢が、再び濁り視力が低下することがあります。これを後発白内障といいます。後発白内障はレーザーを用いて治療することができます。白内障術後に見にくく感じる時は医療機関を受診してください。(2019年1月)