健康一口メモ/ひび割れ、あかぎれの原因と対策について

ひび割れ、あかぎれの原因と対策について

 冬になると手足の乾燥がひどくなり、カサついた状態になりやすくなります。このカサついた状態を放置すると皮膚の角質層の油分や水分が失われて皮膚表面に亀裂が生じることを「ひび割れ」、この状態がさらに悪化し、亀裂が真皮層まで深くなったものを「あかぎれ」といいます。
真皮層には毛細血管があるため、ちょっと指を動かすだけで傷口が開いて出血が繰り返されます。このような症状が冬場に多いのは、寒いため汗をかく機会が減り、汗と皮脂が混じりあってできる「天然の保湿クリーム」とも言うべき皮脂膜が作られにくくなるためです。
また血行が悪くなると、皮膚の細胞に十分な栄養が行きわたらず自力で皮膚細胞が再生することが難しくなります。そもそも手は皮膚のバリア機能を保護する皮脂腺の分泌が少ない部位のため、かわりに角質層が厚くなってバリア機能を補っているので、一旦ダメージを受けると再生に時間がかかるという問題があります。
まずは日常生活で少しでも患部が外部からの刺激を軽減するように工夫しましょう。たとえ短時間の水仕事でもゴム手袋をはめるなど、こまめに防水することが大切です。また、手洗いの時はハンドソープの量は控えめにし、すぐに水気を拭きとりましょう。
次に対策ですが、症状が乾燥のみの軽い時は市販のハンドクリームなどで保湿します。赤みやかゆみが強くなったら抗炎症作用のあるステロイド軟こうが効果的です。治るまで根気強く塗りましょう。それでもかゆみが強い時は医療機関でかゆみ止めの飲み薬を一緒に処方してもらいましょう。(2018年3月)