健康一口メモ/舌がん

舌がん

 舌は、食事や会話など、日常生活を送るために必要不可欠な器官です。舌の主な機能は、①食物をのどに送り込む、②言葉を作る、③味覚の三つがあります。舌に障害があると、食物のかみくだきがうまくできなくなり、食事をむせて引っかけやすくなったり、言葉をはっきりしゃべりにくくなります。味覚は舌以外にも存在しますが、舌がその大半を担当するため、日常生活に大きな影響を及ぼします。
口の中にできるがんの総称「口腔がん」のうち、舌にできる「舌がん」がその90%近くを占めます。
舌がんの原因は明らかになっていませんが、危険因子は喫煙と飲酒とされています。歯や義歯が舌にあたって慢性的な刺激となることも要因の一つです。このような背景もあり、舌がんは飲酒や喫煙と関係のない20代の若い年齢層でも発症するという特徴があります。
舌がんは自分で鏡を見て気づくことができるため、早い時期に病変を発見できます。典型的な症状は舌の縁にできる硬いしこり、出血や痛みです。
舌にできる白い板状の変化である「白板症(はくばんしよう)」も、放置をしていると様々な刺激によりがん化する場合もあります。
口腔がんが発見された人のうち10~30%で、口から胃までの食物の通り道に複数のがんがみつかることがあります。このため口やのど以外にも、食道、胃の精密検査が行われます。
口内炎が治りにくい場合には注意が必要ですので、耳鼻咽喉科、口腔外科、歯科に相談しましょう。(2018年11月)