肩腱板断裂
中年以降に肩の疼痛と機能障害を来す疾患に「腱板断裂」があります。腱板とは肩甲骨からはじまり、上腕骨に付着する四つの筋肉と腱の総称です。腱板は腕を上げる動作に重要な役割を持っていますが、歳とともに変性し断裂しやすくなってきます。外傷などの明らかな原因がある場合とない場合があり、ない場合は五十肩とよく間違われます。
症状は肩を動かした時や夜間の痛みで、腕を上げる動作がしづらくなります。腱板断裂では五十肩のように関節自体が硬くなることは少なく、反対の手で手伝えば腕を上げることができます。X線では異常は認めませんが、MRIや超音波で簡単に診断できます。
断裂した筋肉が自然修復することはありませんが、周囲の筋腱の働きで腕を上げることができ、日常生活や事務作業には支障がないこともあります。鎮痛剤の服用、肩の注射、運動療法などの保存治療で症状が改善すれば経過をみます。症状が強く、保存治療で効果がない場合は手術になります。
手術のほとんどが全身麻酔をかけて小さく皮膚切開で内視鏡を使って、断裂した腱板を上腕骨に縫い付けます。手術後はリハビリを行って、機能を改善していきます。最近では高齢で腱板が広範囲に断裂して腕が上がらない場合には、特殊な反転型人工肩関節を用いて治療します。
中年以降で肩の機能障害を伴う疼痛が続く場合は、単に五十肩と考えずに「腱板断裂」を疑い整形外科専門医の診察を受けられることをおすすめします。(2018年11月)
症状は肩を動かした時や夜間の痛みで、腕を上げる動作がしづらくなります。腱板断裂では五十肩のように関節自体が硬くなることは少なく、反対の手で手伝えば腕を上げることができます。X線では異常は認めませんが、MRIや超音波で簡単に診断できます。
断裂した筋肉が自然修復することはありませんが、周囲の筋腱の働きで腕を上げることができ、日常生活や事務作業には支障がないこともあります。鎮痛剤の服用、肩の注射、運動療法などの保存治療で症状が改善すれば経過をみます。症状が強く、保存治療で効果がない場合は手術になります。
手術のほとんどが全身麻酔をかけて小さく皮膚切開で内視鏡を使って、断裂した腱板を上腕骨に縫い付けます。手術後はリハビリを行って、機能を改善していきます。最近では高齢で腱板が広範囲に断裂して腕が上がらない場合には、特殊な反転型人工肩関節を用いて治療します。
中年以降で肩の機能障害を伴う疼痛が続く場合は、単に五十肩と考えずに「腱板断裂」を疑い整形外科専門医の診察を受けられることをおすすめします。(2018年11月)