健康一口メモ/軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害(MCI)

 軽度認知障害(MCI)とは、認知症の一歩手前の状態のことです。
認知症と診断するには至らない軽い物忘れがある段階で、生活に大きな支障をきたしていない状態を指します。
MCIの人は、家や職場で、物事を順序立てて行うことができなくなり、二つのことを同時進行させることが難しくなります。
注意力が低下するため、仕事上では今までしなかったようなミスが増えたり、炊事では鍋を焦したり水道の止め忘れたりすることなどが増えます。
また、物事への興味・意欲の低下を来すため、生活の質が変化してきます。周囲のことに無頓着になり、外出が減り服装に気を遣わなくなります。そのため、家族や周囲の人を苛立たせます。対人関係や生活の行き詰まりから抑うつ状態を呈することもあります。
MCIを進行させないためには、社会の中で人と交流を持つこと、普段からの有酸素運動、バランスのよい食事、質のよい睡眠の確保、そして生活習慣病の管理がとても大事です。
MCIの段階で早期発見と早期対策をすることは大切なことです。甲状腺機能低下症や正常圧水頭症(すいとうしょう)、貧血、栄養不足などを原因とする認知障害であれば早期発見することで治療することが可能です。
アルツハイマー型やレビー小体型などの認知症に進行してしまうMCIだとしても早期の対策をとることにより、進行予防効果がより大きく期待できます。
家族や周囲の人の変化に気が付いた時、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。早期発見が認知症の予防になります。(2018年11月)