健康一口メモ/PTSDについて

  PTSDについて

 PTSDは、自分や他人が危うく死ぬ、あるいは重傷を負うような出来事を体験したり目撃したりすることが心の傷となって起こります。地震や台風などの自然災害や火災、交通事故、性的暴力などの犯罪被害、虐待などが原因になるといわれています。
悪夢やフラッシュバック、意欲の低下、不眠、不安感、苛々感(いらいらかん)、落ち着きのなさ、音などに対する過敏さなどが一カ月以上続き、社会生活に支障が出るとPTSDと診断されます。このような症状の多くは、「異常な状況に対する正常な反応」ですが、長く続く場合は日常生活に支障をきたすため、専門医療機関での治療が必要となります。
ただし、PTSDに対する特効薬はないのが現状で、また、単に話を聴いてもらうだけのカウンセリングでも良くなりません。近年、治療法として注目されているのが、1989年に米国で生まれた眼球運動を利用したEMDRです。EMDRでは、左右に振られる治療者の指の動きを目で追いながら過去のトラウマ体験を頭に思い浮かべていくと、恐怖心が薄らいだり、体験の受け止め方が肯定的に変わっていったりします。EMDRはPTSDに対する専門的心理療法で、欧米ではすでにPTSDの有効な治療法と認められ、広く行われています。一度きりの恐怖体験が原因の場合、数回の治療でほとんどの患者さんが回復します。
EMDRは訓練を受けた医師または臨床心理士のみ実施することができます。日本EMDR学会ホームページの治療者リストをご参照のうえ、EMDRを行っている医療機関にご相談ください。(2018年9月)