健康一口メモ/小児の救急シリーズ②腹痛

小児の救急シリーズ②腹痛

 腹痛は子どもがよく訴える症状の一つですが、原因は様々です。
お腹の風邪や便秘によることもありますし、漠然とした具合の悪さを「お腹が痛い」と表現することもあります。子どもが「お腹が痛い」と言った時、どのような状況なら医療機関を受診した方がよいかお話しします。
元気だった子がいきなりお腹が痛いといいだして緊急性があるのは、0~2才頃までは腸重積症、年長児以降は虫垂炎、俗に言う「盲腸」です。
腸重積は腸と腸が重なり合う病気で元気だった赤ちゃんの顔色が悪くなって泣きだしたり、嘔吐を繰り返して、イチゴジャムみたいな血便をしたりします。めり込んだ腸管を元に戻す処置が必要になり夜間でも病院受診が望まれます。
虫垂炎は右下腹部を中心に痛みがあり、持続します。痛みは歩けない程度のこともあり、夜間でも緊急手術になる可能性があります。
この他、お腹を強く打った後の痛み、黄色から緑色の嘔吐を繰り返す場合なども緊急性があります。
まとめますと、不機嫌を伴う血便、黄色から緑色の嘔吐、持続する下腹部の痛みで排便後も改善のない場合、外傷後の腹痛、以上のような場合は緊急性のあることがありますので速やかな医療機関受診をお願いします。
夜間、お腹が痛いとお子さんが訴えたら、寝かせておへそを中心にお腹を軽くマッサージして、トイレに行くよう促しましょう。マッサージや排便で痛みが改善する腹痛であれば、朝まで様子をみても大丈夫です。(2018年1月)