恐い、そして恐くない血小板減少
血管が破れ、血液が外に漏れ出ることを出血といいます。この出血を最初に止める働きをするのが血小板です。
血小板の数は、正常では1立方ミリメートルあたり約20万個です。血小板数が2万個を切ってくると出血が起きます。まず、皮膚に点状の出血斑が出現します。さらに進むと大きな出血斑や鼻血などの粘膜出血を、もっと進むと脳出血などの臓器出血を引きおこします。
この血小板減少の原因は、大きく三つに分けられます。第一は骨髄での血小板産生が障害される場合で、再生不良性貧血や急性白血病が代表例です。第二は血小板がどんどん壊れていく場合で、高齢者に多い骨髄異形成症候群や、若い人から中年の女性に多い特発性血小板減少性紫斑病などです。第三は血小板が血管内で塊りむやみに消費される場合です。以上はいずれも恐い血小板減少です。
さて、最近は各種の健診が実施されています。その際に偶然に血小板減少がみつかることがあります。何ら出血症状がない場合で、採血時の検査薬の影響によって血小板がみかけ上減少していることがあります。この場合は他の抗凝固薬を用いて採血したり、血液塗抹標本で血小板凝集塊を確認することで診断できます。これをEDTA誘発偽性血小板減少といいます。当然、偽ものですから恐くありません。
このように血小板減少には多くの原因があります。出血症状がある方はもちろん、ない方でも血小板数が10万個未満の場合は、血液専門医を是非受診してください。(2018年12月)
血小板の数は、正常では1立方ミリメートルあたり約20万個です。血小板数が2万個を切ってくると出血が起きます。まず、皮膚に点状の出血斑が出現します。さらに進むと大きな出血斑や鼻血などの粘膜出血を、もっと進むと脳出血などの臓器出血を引きおこします。
この血小板減少の原因は、大きく三つに分けられます。第一は骨髄での血小板産生が障害される場合で、再生不良性貧血や急性白血病が代表例です。第二は血小板がどんどん壊れていく場合で、高齢者に多い骨髄異形成症候群や、若い人から中年の女性に多い特発性血小板減少性紫斑病などです。第三は血小板が血管内で塊りむやみに消費される場合です。以上はいずれも恐い血小板減少です。
さて、最近は各種の健診が実施されています。その際に偶然に血小板減少がみつかることがあります。何ら出血症状がない場合で、採血時の検査薬の影響によって血小板がみかけ上減少していることがあります。この場合は他の抗凝固薬を用いて採血したり、血液塗抹標本で血小板凝集塊を確認することで診断できます。これをEDTA誘発偽性血小板減少といいます。当然、偽ものですから恐くありません。
このように血小板減少には多くの原因があります。出血症状がある方はもちろん、ない方でも血小板数が10万個未満の場合は、血液専門医を是非受診してください。(2018年12月)