健康一口メモ/咳の原因

咳の原因

 咳は気道内に吸い込まれた異物や刺激性ガス、溜まった分泌物などを体の外へ排出するための生体防御反応で、医学的には咳嗽といわれています。
痰を伴う咳と伴わない咳があります。吸い込んだものの代表は微生物です。しかし微生物を吸い込んだ時に咳は出ず、その微生物が数日で増殖し、肺の中の気管支や肺胞に炎症をおこして分泌物つまり喀痰ができ、体の外へ排出しようとして咳が出てきます。これを呼吸器感染症といいますが、その原因微生物により治療方法が異なります。白色透明の喀痰が出るウイルス感染は、インフルエンザを除けばその多くは特効薬がなく対症療法として症状を緩和させる薬を服用します。黄緑色の喀痰で特徴的な細菌感染症では、原因となる菌に効果のある抗菌剤と症状を緩和する薬を併用し、例外はありますが三週間程度で改善します。これを急性咳嗽といいます。遷延性咳嗽という三週間から八週間続く咳は感染後咳嗽が多くを占めます。八週間以上続く咳嗽は感染症ではない病気を疑います。主に咳喘息、アトピー咳嗽、間質性肺炎、気管支拡張症の他に耳鼻科の病気、逆流性食道炎、薬剤の副作用など呼吸器の病気以外が原因の時もあります。こうなると専門的判断が必要で、重篤な疾患の可能性もあり近くの医療機関で相談されたほうがよいでしょう。
ここで大切な点ですが、感染症は流行するため他人に感染させないこと、喫煙していれば治療を受けても咳はすぐには止まらないことを知っておくべきです。(2018年2月)