男性にも更年期障害があるの?
男性にも女性と同じように更年期障害があるのをご存知ですか?女性の場合は、閉経に伴って女性ホルモンが少なくなることにより、更年期障害を来しますが、男性の場合には、働き盛りの四十歳~六十歳台の方で、加齢だけではなくストレスなどによって男性ホルモンが少なくなってくると、徐々に更年期障害が起こります。
症状は、大きく分けて三つ。一つめは体の症状で、疲労感・ほてり・汗かき(発汗)・めまい・頭痛など、二つめは心の症状で、無気力・集中力の低下・イライラ・不安・抑うつ・不眠など、三つめは性の症状で、性欲や勃起の低下などです。これらは、うつ病や慢性疲労症候群などと同じような症状ですが、男性更年期障害は男性ホルモンの低下が原因なので、気になる方は男性ホルモンの血液検査をしてみるとよいでしょう。体内の男性ホルモンは、午前中に多く分泌され午後からは少なくなるので、検査は午前中に受けてください。
治療は、注射による男性ホルモン補充療法が有効です。ただし、前立腺がんの方は男性ホルモンでがんが悪化するため、ホルモン治療はできません。漢方薬も有効な場合があります。また、ストレスの解消や、十分な睡眠や適度な運動、禁煙、バランスのよい食事など生活習慣の改善にも心がけることが大切です。
男性ホルモンが低下すると、メタボリック症候群になりやすいともいわれています。男性更年期障害が気になる方は、かかりつけ医か泌尿器科専門医に相談されてはいかがでしょうか?(2017年10月)