健康一口メモ/CKD-慢性腎臓病-

CKD-慢性腎臓病-

 慢性腎臓病は、その英語の頭文字を取ってCKDと呼ばれており、腎臓機能が正常の六割未満に低下するか、蛋白尿陽性が3カ月以上持続する状態をいいます。かかりつけ医のところで検査が可能なので、CKDかどうかはすぐわかります。

 慢性腎臓病CKDは二つの点で重要です。一つは、進行すると腎不全になり透析が必要になる可能性があります。日本では現在、約32万人の方が透析を受けており、一人あたり医療費が一年間で約五百万円がかかるため、国の財政上も問題になっています。二つ目は、CKDになると、全身の動脈硬化が進行し、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞が約三倍起こりやすくなります。忘れてならないことは脳梗塞、心筋梗塞を起こすまでは無症状であり、一旦起こしてしまうと、元のようには回復しないことです。

 慢性腎臓病CKDにならないように、また進行しないためには、どうしたらいいでしょうか。CKDはメタボリック症候群と関係が深いことが明らかになってきました。四十歳以上で会社勤務の方は毎年の健診で、国民健康保険の方は、市町村が実施する健診や、かかりつけ医でメタボ健診とも呼ばれている特定健診を、無料で受けることができます。高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、肥満があるとCKDになりやすいといわれています。そして、CKDは認知症とも関連が深いことが明らかとなっています。蛋白尿、腎機能低下は決して放置せず、かかりつけ医に相談してCKDにならぬよう、進行しないようにお気を付けください。(2017年8月)