健康一口メモ/腎臓がんについて

腎臓がんについて

 腎臓がんは尿を作る腎臓に発生する病気です。腎臓がんは早期では、無症状ですが、大きくなると血尿や腹痛、腹部のしこりを自覚するといった症状で発見されます。さらに進行すると食欲低下、熱がある、疲れやすい、などの症状が見られることがあります。

 腎臓がんの診断にはエコー検査やCT検査が必要となります。CT検査は肺や肝臓といった他の臓器に転移した場合や腫瘍の広がり具合を判断するためにも重要な検査です。

 治療はおもに手術療法が行われます。四センチ以下の比較的小さいがんでは腎臓の部分切除が行われます。部分切除はがんの部分のみを摘出して、腎臓の大部分を残す手術です。そのため、腎臓の機能を残すことができます。大きいがんでは片方の腎臓をがんと一緒にまとめて摘出する腎臓の全摘出術が行われます。最近は腎臓の部分切除では「ダビンチ」と呼ばれるロボットを用いた手術が行われる施設もあり、治療成績の向上が期待されています。

 転移がある場合には、免疫療法や新しいがんの治療薬である分子標的薬による治療が行われます。特に最近は分子標的薬の開発が進み、現在数種類のおくすりが治療に用いられています。

 腎臓がんは早期発見が重要です。特に40歳をすぎた男性に多いとされています。健診で腎臓に異常を指摘された場合や、血尿や痛みなどを自覚した場合には早めに近くの泌尿器科を受診しましょう。(2017年3月)