健康一口メモ/鼻づまりについて

鼻づまりについて

 鼻づまりは、生理的なもの、病的なもの、どちらでも起こる症状です。片側の鼻づまりが数時間で左右交代に起こるものは、ネーザルサイクルといわれる生理的な現象です。

 病的な鼻づまりの原因の一つは、鼻の真ん中の壁が成長の過程で強くゆがむ鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)などの「構造的」な要因、二つ目はアレルギー性鼻炎、急性鼻炎、副鼻腔炎など炎症で鼻の粘膜が腫れる「機能的」な要因、三つ目はポリープや腫瘍による「器質的」な要因など、様々なものが考えられます。

 小児では鼻の奥にあるアデノイドや、口腔内の扁桃が肥大していることで鼻づまりが起きる場合もあり、いびきや睡眠時無呼吸の原因にもなります。

 軽い鼻づまりはつまっている側を上にして横向きに寝て、しばらくすればよくなります。薬による治療では、急性鼻炎や副鼻腔炎であれば炎症を抑える治療薬や吸入薬、アレルギー性鼻炎であればアレルギーの反応を抑える飲み薬や点鼻薬を使用します。効果が乏しければレーザー治療や手術も選択肢となります。

 ポリープの多くはアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が背景にあり、治療としては内視鏡を用いた手術が選択されます。鼻にできる腫瘍はほとんどが良性のポリープですが、放っておくとがんに変化するもの、がんの種類によっては急速に進行するものもあり、注意が必要です。

 このように、鼻づまりには様々な原因があります。いつか治まるだろうと放置せず、おかしいなと思ったら耳鼻咽喉科を受診し、正しい診断に基づいた治療を受けましょう。(2017年11月)