健康一口メモ/性感染症の最近の動向

性感染症の最近の動向

 性感染症とは、性行為によってウイルスや細菌などに感染しておこる病気のことをいいます。淋病、クラミジア感染症、性器ヘルペス、コンジローマなどは性器を中心に症状が出ますが、血液を介して全身に症状が出る梅毒やHIV感染症(ヒト免疫不全ウイルス)もあります。

 梅毒は、近年、全国でも長崎県でも報告数が増えています。感染後三~六週間程度の潜伏期を経て、様々な症状が現れます。初期には、全身の発疹、潰瘍、リンパ節の腫れなどが現れますが、末期になると心血管梅毒や、神経梅毒に進展します。また、梅毒に感染している妊婦から胎盤を通じて感染し、生まれた赤ちゃんが先天梅毒を発症することがあります。

 HIV感染症は、エイズを発症する原因となるウイルスです。エイズは重篤な全身性免疫不全により様々な感染症や悪性腫瘍を引き起こす状態をいいます。治療薬の開発が飛躍的に進み、早期に服薬治療を受ければ免疫力を落とすことなく、通常の生活を送ることが可能となって来ました。とはいっても、治療薬は、毎日、一生のみ続けなければなりませんし、人にうつす心配をしなければなりません。

 梅毒もHIV感染症も潜伏期間が長いため、知らずに人にうつすことがあります。早期に血液検査を受けて、自分が感染していないか知ることが大切です。また、性感染症を予防するためには、コンドームを使用することが有効です。

 早期発見、早期治療、さらに予防に努めましょう。 (2017年7月)