健康一口メモ/サイトメガロウイルス感染症

サイトメガロウイルス感染症

 妊娠中、ウイルスや寄生虫などに母親が感染すると、胎盤や血液を通じて胎児に感染し、赤ちゃんが何らかの障害を持って生まれてくることがあります。妊娠中母親が感染すると、胎児に先天性異常を引き起こす感染症として、トキソプラズマ、梅毒、風疹症候群、サイトメガロ、新生児ヘルペスが知られています。各病名の頭文字を取って『TORCH』(トーチ)といいます。

 トーチ感染症の中で感染率が高いのがサイトメガロウイルスですが、日本の妊婦さんの抗体保有率は70%です。初めての感染では母体は無症状のことが多く、時に風邪症状や発熱を伴うことがあります。胎児へ感染しても80%は胎児に異常を認めませんが、20%の胎児に何らかの障害が現れます。日本では年間千人が胎児感染するといわれています。感染発生頻度は高いのですが、感染による胎児への影響について認識は低いようです。感染した胎児超音波所見は小頭症、脳室拡大、腹水、胎児発育障害が見られます。出生後の後遺症として難聴、運動・知能障害、神経学的障害、てんかんなどを起こします。

 感染原因は尿、唾液を介して気づかないうちに人から人へ感染します。長崎市では平成26年よりサイトメガロウイルス抗体を持っているか、妊娠初期に公費負担で検査しています。抗体を持たない妊婦には子どもと食べ物、飲み物、食器、歯ブラシを共有しない、手洗いの徹底、子どもの唾液や尿への接触を避けるよう指導、啓蒙をしています。(2017年4月)